壮行会3 −大阪、冬の陣−

2003年12月 5日 Posted in 2006以前

本日、”大阪、冬の陣”と名付けられた大阪公演に向けて、
横浜国立大学マルチメディア文化課程の課程会が開かれた。

”大阪冬の陣”と銘打たれた壮行会では、唐ゼミは花束を贈呈されました。
この課程会に向けて準備、運営された橋本誠さん、五十嵐靖也さん、また会のために手伝いをされた皆様お疲れ様です。そして、花束ありがとうございます。
大阪での公演が成功するよう、唐ゼミ生一同、全力を尽くしたいと思います。

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昼から集合した唐ゼミ生。夕方五時からはじめられる課程会に向けて、
着々と”余興”の準備が進められた。

課程会自体は以下のように進んでいった。

(Toshinobu Adachi)

マルチメディア文化課程第一期生・野崎友清氏のピアノの弾き語りから、
課程会は幕を開けた。もともとある曲に、自ら詞をつけたものだという。

曲の終わりを合図にこの課程会の第一目的である、二年生のゼミの話が進められた。
課程会の前には、オリエンテーションはきちんと開かれているので、この会では、自分が希望するゼミの教官、または所属している3,4年生のところに行き、自分が取りたいゼミが来期はどういったものになるか、立食しながら聞いて回っていた。


二年生の立ち回りも落ち着いて来た会の中盤、
第五期生・大隅健司氏によるソロ・ヴォイスパフォーマンスを行われた。
彼には第五回公演の『少女都市からの呼び声』と第六回の本公演の唐ゼミの本番の写真撮影も手伝ってもらっている。webに載せている本番の写真は彼のものが多い。
その彼のヴォイスパフォーマンスは、笑いを誘い、大いに盛り上がった。

続けて、第三期生・長門洋平氏によるギター演奏。
第三回公演『ジョン・シルバー』の中では”さすらいのギターリスト”を演じ、唐ゼミの公演毎に歌の作曲、伴奏の相談をし、度々お世話になっている。。
その彼の演奏には、立食していた教官、学生たちも手をとめて、耳を傾けていた。


そして、出し物の中で、トリを務めたのが唐ゼミである。

まず挨拶は、役者の他に舞台監督も務める三年の前田裕己。
ずらりと並んだ唐ゼミ生を後ろに控え、マルチメディア文化生が見つめる中、前田の紹介により、大阪に制作のために出張中しているために出席できなかった中野敦之のビデオレターが流された。
このビデオは大阪に出発する前日に撮られたもので、役者の傍ら学内で映画監督・撮影もしている唐ゼミの土岐泰章が編集を施された。

そのビデオが終わると、練習を重ねたパートへと移ってくる。

ビデオレターの終わりと共に、”余興”に入る宣言をし、大阪にちなんで選ばれた曲、「大阪で生まれた女」が、バンドによる演奏ではじめられた。
ギターのアルペジオの繊細な音が鳴り響き、しっとりと歌い上げるのは挨拶をした前田裕己。そのバックを支えるのは、ベース・寺坂裕治。ブラジルのタンバリン−パンデイロでリズムを刻むのはパーカッション・新堀航。アルペジオで音を奏でるのは、ギター・安達俊信。

「大阪で生まれた女」のサビに差し掛かったそのとき、バンドの演奏を割って入る「ごめんくだしゃ〜い」という声。バンドの演奏はとまり、それと同時に音響が鳴り出す。
第三回公演『ジョン・シルバー』より、床屋(寺坂裕治)と小男(前田裕己)の掛け合いのシーンの始まりである。
延々と喋る小男。見つめる床屋。が、小男が一息ついたところに床屋の一言。「もう終わった?」
そこで、バンドが俺たちの番だったろと言わんばかりにギターをかき鳴らす。

再び始まる「大阪で生まれた女」。今度は大丈夫だろうとバンドは演奏を続ける。
気持ち良くサビに入り、歌が歌い終わるかと思ったその瞬間、学生達の後ろから、「その目はこういっていたんだ」と声が響く。学生達もびっくりであった。一斉に後ろを振り返る。学生達を割って前に登場したのは、第四回公演『動物園が消える日』のゴリラの檻に閉じ込められた田口(土岐泰章)。
彼は檻の世界を朗々と語る。だが、後ろからそっと忍び寄る影。「違うぞローラン(田口のニックネーム)」とつぶやく灰牙(新堀航)。それをきっかけに一触即発の二人。
灰牙に言いくるめられそうになる田口。だが、それを振り切るように語る田口。
檻にいて欲しい灰牙。檻から出ていった田口。
田口は言う。もう一度その檻の前に立ったならば、「その檻は解けるように消えるだろう!」

大きな盛り上がりを見せる。
そこに、俺たちを忘れるなと再びギターをかき鳴らすバンド。

「大阪で生まれた女」のフレーズを弾き、気持ち良くサビが終り、歌も最後をしっとり聞かせるだけだと思った。そのとき、思わぬ横やりが入ってきてしまう。
第五回公演『少女都市からの呼び声』より、ビンコ(禿恵)と有沢(渡辺幸作)、婚約者同士の会話の場面である。

婚約者同士の何気ない会話。ビンコは有沢に言う。「私だけを愛してよ」。婚約者だけを見て、これからもずっと愛すことを誓う有沢。その有沢にビンコは更に釘を刺す。「あなたをさらっていく女は、瓶に閉じ込めますからね」。それだけを言い残し、ビンコはその場を去っていく。
残された有沢。「そのビンコと一生暮らしていくんだね」。彼はそっとつぶやいた。

それを陰ながら見ていたバンド。ギターをジャーンとならし、三たび「大阪で生まれた女」。
俺たちはいい加減、歌いきりたいんだ。とバンドは勢いをつけサビを歌いきる。
大丈夫。今度は何の横やりも入らない。しっとりと最後のフレーズを歌いはじめる。
「大阪で生まれた女」。

最後のフレーズが終わり、ギターの余韻がにわかに残る。やりきった。やっとやりきれたんだ、とバンド。
歌い終わった安堵感が辺りを漂う。

「持ってなさい!」。ギターの余韻が終わると共に、この一言が割って入る。いよいよ”余興”は佳境にきた。バンドが終わっても、”余興”はまだ終わってはいない。

つばめ(椎野裕美子)に死者の書を差し出す千石のり子(中村香織)。
本公演、唐ゼミ第六回公演『鉛の心臓』からの抜粋である。
差し出された使者の書を取ろうとするが、取らずに千石のり子が偽物であることを暴きにいくつばめ。それをさせまいと、男親(橋本幸紀)と女親(古川望)が鶏をつばめに押し付け、それを遮る。
にわとりに押しつ、押されつ。ここで、『鉛の心臓』の中で流れる劇中歌が流される。
唐ゼミの看板女優、椎野裕美子の歌に観客はぐっと引き込まれていく。
教官・学生はその成り行きをじっと見つめる。


看板女優が出て来て歌い終わったとき、教官・学生全員、この”余興”が終わりを告げたことを悟ったことだろう。フィナーレである。

どこからともなく、リズムの良い曲が流れてくる。「ヤングマン」である。
そのリズムに合わせ、バンドの後ろから、禿恵、伊東しげ乃、両名が軽快なステップを踏みながら登場。それと合わせて、唐ゼミ全員が揃って登場。

全員が「ヤングマン」を歌う…

と思われた瞬間、間奏は切られ、突然入るギター音。
バンドではない。激しく、繊細に鳴り響く。

そう、さすらいのギター弾きが、『ジョン・シルバー』で使われた「どくりんこ」という歌を弾いているのだ。

禿、伊東がその伴奏に合わせて、「どくりんこ」を歌いはじめる。つられて唐ゼミ全員、バンド含め、体を大きくスウィングさせ「どくりんこ」を合唱。
教官、学生ともども、その圧倒的な唐ゼミの押しのパワーに唖然、呆然。ただただ圧倒されていく。ゼミ生はとにかく押しに押していくのみである。

「どくりんこ」の歌い終わりと共に、「ありがとうございました。いってきます」。と大きな挨拶。
これが、唐ゼミの”余興”の終わりを告げた。


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コメント (3)

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