7/19(日)一生のうちの(熊野)

2020年7月19日 Posted in 日々のこと
熊野です。

免疫力を高めるためにも、
俳優としての身体を作るためにも、
大切なのは食事。
美味しく、かつ、必要な栄養素を取れるかどうか。
もともと食べることが好きなこともあり、
最近の関心ごとです。
一日にとることが出来る食事の回数には限りがありますから
(馬鹿みたいに食べることもできますが、諸々を考えアウトです。)
一回一回が重要であり、楽しみでもあります。

唐ゼミにおいて、食に対する嗅覚が異様に鋭いのが中野さん。
僕が劇団に入って10年。
活動拠点の横浜でも、旅先の地でも、
うまいご飯を教えてくれるのはいつも中野さんです。

まだ浅草の花やしき裏に青テントをたてさせてもらっていた頃、
朝の集合時、マクドナルドを食べながら集まってくるメンバーがありました。
あの独特の食欲をそそる匂いに、
寝坊して朝を満足に食べられずにいた自分は
かなり羨ましく感じたのでした。
そんな僕とは対象的に、中野さんはボソリと言いました。
「一生のうちで食事の回数は限られているからなあ。」
そんな有限性について考えてみたことなどない
二十歳そこそこの自分には衝撃的でした。
思い出されたのは、
かなり短い時間しかなく、普通なら諦めるところ、
原付をとばしてお気に入りの店に蕎麦を食べにいく中野さんの姿。
そうか、そういうことだったのか。
毎回の食事でさえも全力投球。
昨日のインスタント麺も、
珍しいなあと思っていたら
芝居のことを考えていたからなのだ...。
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食事に限らず、
いつの時だったか
「一生に自分が上演できる本数は限られているから」
とも話してくれました。
これを聞いた時もハッとさせられました。
まして自分は俳優志望ですから、
その時期でなければ、という役もきっと沢山あります。
限りがあるのです。

我々の稽古期間は長いです。
じっくりじっくり一つの戯曲に取り組みます。
このスタイルは数こそ打てませんが、
だからこそ作れるものがあると信じています。
毎回の上演が一撃必殺の公演なのです。

『唐版 風の又三郎』
一生のうちの、大事な一回に向けて
日々準備を重ねています。

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