11/6(木)唐組『盲導犬』を観てきた

2025年11月 6日 Posted in 中野note
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遅ればせながら、唐組の、紅テントの『盲導犬』を観てきました。
10月は野外でのイベントを二つ抱えて週末を忙殺されつづけ、
やっと千秋楽に駆けつけることができた。そういう感慨でした。
木枯らし1号が吹いた日だったそうです。

唐組の『盲導犬』は、かつて井の頭公園で唐さんの演出でも
観ましたが、まったく新しいものに見えました。大きく特徴がふたつ。

ト書きには指定のない人たちを多く登場させて、新宿の地下道、
コインロッカーを行き来する景色を描いていました。
コインロッカーの上に、行きずりな人生が通しすぎている、
そういう実感をわかせる巧みなリードでした。

もうひとつは、せりふに込められた機微を余すところなく
活かして、喜劇性に富ませていたことです。銀杏と破里夫のやりとり
なんて、そういう技の応酬で、実に見応えがありました。
そういう見事さの上で、『盲導犬』という劇が持つ一途な純粋性
が開花していました。

あの『盲導犬』に接して、久保井さんという人は、とぼけた風情で
笑わせておきながら、実にまっすぐなロマンチストだと再確認せずには
いられません。観劇後は、話題の紅戯曲文庫をホクホクしながら
買って帰りました。

もう冬に突入しているなんて分からずに油断して、上着も着ずに
観劇しに行ってしまいました。観ながら喉が痛くなってきたので
用心して打ち上げは失礼しましたが、心は熱く、しばらく『盲導犬』
を想って過ごしています。そのせいかどうか、おかげで、
決定的な風邪はひかずに済んでいます。

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