11/7(金)『ビニールの城』を読んでいます

2025年11月 7日 Posted in 中野note
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11月に入り、今年が残り少なくなっていることを実感します。
年に三本は未精読の台本を研究したいものと思ってきましたが、
今年は、『ジャガーの眼』『住み込みの女』の二本にとどまってきました。

このままではいかんと思い、毎朝『ビニールの城』を写経し始めました。
いつもオンラインWSに参加してくださっている方からリクエストを
頂いたためです。まだまだ序盤ですが、あと2週間経てばきっと最後まで
いき、さらに1週間が経てば自分なりの誤字脱字チェックを終えている
はずです。そこからは劇団員の力を借りて、精度を高めていきます。

『ビニールの城』を読んでいると、2009〜2014年、2021年にも
唐ゼミ☆を包み込んでくれた浅草を思い出します。ほんとうに、
浅草という街は、そういう実感を持つ温かさで唐ゼミ☆を支えて
くれていました。

私は初演の地である常盤座を体験したことはありませんが、
劇中に出てくる神谷バーの前をずっと通り過ぎて浅草を行き来して
いました。

唐さんの描く浅草は当然もっと昔で、地面には水たまり、
大気には霧がかかっていて、要するに浅草という街がかつての
栄光を失っていた時代の静けさが全体に立ち込めています。

そういう時代から、街の皆さんの奮闘努力により
いま再びの浅草の隆盛があるわけですが、唐さんの筆を通すと
時代遅れとされて閑散とした浅草もまた、魅力的に感じられます。

11月は唐さんが翌春の公演に向けて台本を書く月でした。
それに倣い、朝起き出して言葉と劇世界に向かっています。

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