12/22(日)泣きました。(椎野)
2024年12月22日 Posted in 劇団員note
今月7日に唐ゼミ☆の津内口淑香さんが関わっている
綾瀬シニア劇団Hale第5回公演『Hale版 父の詫び状』を観劇して、泣きました。
夏の『少女仮面』公演で共演して頂いた倉品淳子さんの構成、演出です。
この作品は「俳優個人の経験とアイディアからせりふやシーンを俳優自身がひねり出し
演出家とともに創作し繋ぎ合わせていく」という
「構成演劇」と呼ばれる創作方法でつくられていました。
いわゆるエチュード(即興演劇)に近いものだと私は理解しています。
倉品淳子さんにその手法をお聞きするまで全くその創作方法を知らずに生きてきました。
この方法が、シニア劇団の俳優さんの人生の越し方を全て舞台に晒し出していて、
一人一人が面白く、楽しく、奥深い。
人間のどうしようもないダメさ、かたよりがおかしさや悲しさに変わり、
そこがあるから私の個人的な経験にも重なってきてしまう。
気がついたら、エンディングに向かう
お通夜で繰り広げられる「やーん久しぶりーー」「おお!元気か?」という賑やかさに触れた瞬間、
ここまで積み重ねてきた子供のときから今までの家族のシーンが去来して、
おーんおんおん、と泣いていました。
人生ってこうだよな、と。
倉品淳子さんのパンフレットに書かれている文章がそのまま舞台に現れています。
ここで私が言葉をなんとか絞り出すよりも伝わると思い、
そのままパンフレットの文章を掲載します。
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ごあいさつに代えて
向田邦子さんの作品が大好きでした。書籍になっているものを読み漁りました。
すごく面白くて、友達にも読んでほしくて、無理に貸し出したりして、
今はほとんど手許に残っていません。
向田さんの話はどれも、つらい事おかしい事がすぐそばにあります。
向田さんのお話に出てくる人は、なんだか欠陥だらけの人が多い。
向田さんの書く家族は、みんなの家族に似ている。
読んでいると自分の家族のエピソードも一緒に頭に浮かんでくる。
この「父の詫び状」も大好きでしたが、父の詫び状というタイトルなのに。
何故伊勢海老の話から始まるのか、その時は気にも留めていませんでした。
私たちはこの「父の詫び状」を読み、その言葉で遊び、影響を受けて、私たちの中の
向田さんぽいものを探しながら、この作品を作りました。
人間は素敵じゃない。リア充じゃない。
人間は滑稽で、ばかったれだ。
一つだけ確かなことは
人間は死ぬまで生きている。
人間死ぬまで みっともなく もがいて 生きている。
まるで、この伊勢海老みたいに。
見に来ていただいたお客様に、支えていただいたスタッフの方々、
一緒にお芝居を作ってくれたHaleメンバーのみな
最後までごゆっくりご覧ください。
倉品淳子(構成・演出・プロジェクトリーダー)
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勝手に掲載しちゃってすみません。
本当に素敵な舞台でした。
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