10/10(木)『少女都市』本読みWS 第4回 その②
2024年10月10日 Posted in 中野WS『少女都市』
↑フランケの食事はこれです。三浦市の三崎口に行くと食べられます。
フランケはこれをマグロの頭でなく、サメと言い張っていますが。
生々しいものの代表例であるこれを食べつつ、ガラスの少女や
オテナの塔という相反するものに憧れる。単なるギャグで済ませず
フランケの内面を推し量る必要を感じる食事です
昨日は「2幕」をまとめたので、今日は「3幕」冒頭をまとめます。
2幕を挟んで、3幕は1幕の続きです。
フランケ醜態と雪子の居住空間のなかで、雪子のガラス化はますます
進行していくわけですが、雪子に不安が兆す、というのが三3幕冒頭の
主題です。
まず、3人の女たちが登場し、一升瓶を使って玄米のヌカを突きながら
月に一度くる生理とか、働かない旦那の話をします。
要するにこれらはいずれも「世帯くささ」とか「生活感」を感じさせる
もので、雪子とフランケの目指す「ガラスの少女」「オテナの塔」と
対局にある存在を羅列していることが重要です。
その後、雪子が登場して、自分がガラス化されていることを語る
わけですが、遠ざかりたいと願っている生活感、人間が動物として
持っている生理現象のいちいちが、いざそれを捨てようとした時に
後ろ髪引かれる思いのあることを言い出します。
フランケはとうぜん困惑しますが、雪子は揺れます。
そして、その象徴が「3本指」です。
これは、1幕で話題に出た3本指のこと。
雪子がガラス工場での事故により失った3本指は、雪子の体から
切り離されているためにガラス化されず、やがて宙空をさまよった後に
雪子の「肉体部分」としてガラス化を阻みにやってくる、
というイメージに雪子が囚われます。
実際には、事故に遭って飛び散った指は、
粉々に引きちぎれるか、腐るかして、処分されざるを得ないものですが、
それらが宙空を彷徨ったのちに飛来するイメージは見事です。
フランケと雪子の希望と不安が入り混じるうち、
連隊長に化けた雪子の兄がやってきて、フランケをまんまと退場させると
ここから、長い兄と妹の場面が始まります。
次回10/13(日)で『少女都市』最終回です
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