10/9(水)『少女都市』本読みWS 第4回 その①

2024年10月 9日 Posted in 中野WS『少女都市』
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↑小日向白朗さんです。『少女仮面』で甘粕正彦さんを登場させ、
『少女都市』ではこの日本人馬賊王を扱う。常に二匹目のドジョウを
狙ってやまない唐さんらしい戦略です!


前回、10/7(月)に行った本読みWSの内容をレポートします。
『少女都市』2幕と3幕冒頭を取り上げました。

「2幕」というのは明らかに幕間芝居。
いろいろと面白いことが起きるのですが、では一体何が起き、
伝えたかったのかと訊かれると、誰もがたじろぐカオスを感じます。
が、丁寧に腑分けていくと、核となる部分が見えてきます。

2幕は、オテナの塔の入り口周辺で繰り広げられます。
受付人(管理人)のもとに様々なキャラクターが訪ねて来て問答する。
これは実に、『煉夢術』2幕とまったく同じ設定です。

初め、人体模型人形の人形使いが訪ねてきます。
「渋谷警察への慰問」と言っているところなど、これは天井桟敷と
乱闘した後に書き加えられたネタでしょう。

次に、上海ママが登場して、小日向白朗の『日本人馬賊王』より
「復讐のコルト」のくだりを朗読します。かなり長いのですが、
要するに、自分は小日向と付き合っていた、そして捨てられた、
という上海ママの過去が明らかになるのが重要です。

さらに、老人AとB、山田くんと田中くんの再会、
というネタが入ります。「なんてじめじめした陽気だろう」で
お馴染みの二人ですが、要するに「塔は近いぞ!」と
言っているわけです。

そして、2幕冒頭の人形使いが帰ってきて、
今度は一幕で登場した連隊長を人形にして、上海ママとの
やり取りが始まります。つまり、この連隊長こそ小日向白朗
だったらしく、上海ママと連隊長は過去に男女の仲だったよ、
と言いたいわけです。

・・・やはり散らかっています。
混乱しないように2幕を要約すると。
・オテナと塔があります。
・小日向白朗と上海ママはただならぬ仲でした。
内容的にはこの2点に尽きます。
上海ママと小日向がこの先、三幕でどうなるのかと
観客に気にならせることができたら成功です。

また、朗読された『復讐のコルト』を原典に遡ってよく読むと、
小日向白朗という人は、恋愛関係にあった中国人女性をピストルで
殺した過去を持っているそうです。これがなかなか複雑で、
彼女が望まぬ結婚をせざるを得なくなり、小日向との愛を全うするために
このような殺人に至った、というエピソードです。
この構図は、3幕のフランケと雪子のやり取りに明らかに影響を
与えていますので、ここに申し添えます。

また、この幕間劇は全体に、『少女仮面』2場の向こうを張って
人形劇仕立てになっていることは言うまでもありません。

長くなったので、3幕のおさらいは明日。

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