2/15(火)魚ごころあれば水ごころ
2022年2月15日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑昨日は誕生日だったので、皆がお祝いしてくれました。
前回は金曜の朝に書いたので、金・土・日・月にあったことを書こう。
2/11(金)
この日は、唐さんと娘のお誕生日だった。建国記念日に生まれた二人。
学校に行き、昼食(近所のbill'sのウェイターさんと親しくなった)
をはさんで劇場オフィスに行き、リヴ(Liv)という女性から
パソコンのログインや様々なセキュリティについて、
解除の仕方を教わった。
こちらは、バックヤードのトイレにもテンキーが付いている。
館内を自由に動けるようになり、スタッフの一員として一歩前進した。
18:00頃には劇場を出て、国鉄に乗ってロンドンブリッジ駅で降り
30分ほどテムズ川沿いを歩いてサウス・バンク・センターに到着。
今日も当日券を買おうとしたところ「今日はイベント無いよ」と受付の人。
どうやら、カレンダーを見間違えていたので、
ならば!と近くのテーブルに陣取り、夏までのプログラムや
自分のスケジュールと睨めっこし(競馬の予想みたい)、
先々のチケットを最も安い席で買う。
"チーペスト チケット"がスタッフとの合い言葉。
その中でオススメの席を!と相手にお任せした。
本来はミシン目で切れるはずのチケットが蛇腹になって出てくるのが
面白く、ボックスオフィスのスタッフと爆笑しながら買った。
10数回分買ったら割引も適応され、2万円いかないくらい。安い。
帰り途、電車の乗り換え中に電話がかかる。エージェントさんから。
下見に行った大家さんが、OKしてくれたらしい。
ついては、翌朝エージェントさんとの面談を決める。
グリニッジから30分ほどのニューエルタム駅で待合せ。
前金が必要なので、帰りにATMに寄ったが£20紙幣がたくさんになって
しまった。あと、包む封筒がない。
2/12(土)
ホテルに戻り、本を読んだりしながら過ごして、夜中(日本は朝)に
唐ゼミ☆オンライン会議。その後、早朝(日本のお昼過ぎ)にも
一本zoomで写真家の方と打合せして、先々の企画について話し合う。
こちらが寝ている間には、林麻子のWSが進行中。
彼女は、教え方やタイムコントロールなど、巧者のようだ。
いつも劇中歌の振り付けをしたり、衣裳を考えたりしている時にも
視野の広さがあると思ってきたが、当たりだった。
彼女は音大出でピアノと声楽をやってきた。
劇中歌ワークショップ、ぜひ参加してください。
『唐十郎劇中歌ワークショップ』
ここから、7:00に回転するセインズベリーに行って封筒を探す。
尋ねてみると、売り切れ。困っていると、店員の女の子は
別棚の便箋とセットになっている封筒を一枚引き抜いて
プレゼントしてくれた。本来、便箋とセットの売り物ではないのか?
幸せな気持ちになるが、買う人には一枚足りないことになる。
その後、エージェントさんと会い、
20年イギリスで暮らしているという日本人のその方に、
色々と面白い話を伺った。息子さんがサッカーに夢中だそうだ。
こちらにいるうちにサッカーの試合も観たい。
超一流リーグはレアチケットだけれど、地元のチャールトンという
チームなら手に入りやすいらしい。下部リーグの厚みこそ本場を
感じる。劇でも、音楽でも、スポーツでも、決して来日公演のない
ローカルなものを目にしたい。良いアドバイスをもらった。
午後になり、ミミとWhatsAppというアプリで連絡を取りあったら、
彼女の体調が優れないことがわかった。彼女は明らかに忙しい。
その上で、自分の家や生活の心配をしている。
なるべくオフィスに顔を出して馴染みたいが、
ミミが不在の間に劇場に行くと結局は彼女に連絡がいくことに
なりそうなので、朝は原稿書きをして午後からは出かけることにする。
金曜にサウス・バンク・センターでのチケット注文が面白かったので、
同じことをバービカン・センターでもやった。ここは、蜷川さんが
公演していた場所だ。ボックス・オフィスの青年ジャックさんと
蜷川さんの話をしながら、席をアレンジしてもらった。
その後、ピカデリーサーカスの辺りまで歩き、
聖ジェームズ教会のバレンタイン・コンサートに行ってみた。
ヴィヴァルディを立て続けに演奏するプログラムで、
協奏曲など初めて生で聴くものばかりだ。
開場時間と同時に入って、自由席だというので前から2列目
真ん中通路沿い(テント芝居みたい!)を押さえた。
トイレに行く際、荷物を置くのは危ないので、当日プログラムと
ペットボトルを置いていき、戻ってみたら、中年女性と青年の
親子連れにズラされていた。どうやら悪びれた様子もないので
こちらが良くなかったようだ。今後は、周りに人が座るまでは
その場にいて、コミュニケーションしてから動くべきと悟る。
演奏は一流ではないけれど、1600年代からあるという教会内部は
趣きがあり、とにかく周囲のカップルがイチャイチャしながら
聴いているのが面白い。ちゃんと入場料を取るライブだが、
平気で写真や動画を撮りながら聴いている。おおらかだ。
教会の人からは、平日のお昼は無料の演奏をしているから
またおいで!と言われた。ヴィヴァルディは喘息持ちで赤毛の司祭
だったというから、合っていたように思う。
催し物会場としての教会という選択肢があるのだとインプット。
2/13(日)
朝起きて、唐ゼミ☆ワークショップ。
(昨日のレポートを読まれたし)
午後はKAATの仕事で発行している「共生共創通信」の原稿書きをし、
メーテルリンクの『青い鳥』を読んだ。堀口大学の翻訳だけれど、
唐さんが『秘密の花園』に使った言葉ではない。誰の訳文か、
今後に調べる必要がある。
イタリアンレストランで昼食。ここは先週も来てかなり気に入った。
イギリスに美味いものがないというのは違うと思う。
中華料理屋に行くと違和感を感じるが、西洋のものは美味しいと思う。
雨の中、夜はAlbanyのライブに行った。
(先日スーパーで折り畳み傘を発見。チープなものだけれど)
「TOMORROW'S Warriors(明日の戦士?)」というバンドのライブだ。
劇場に行ってみると、ホールが完全にライブハウス化していて面白かった。
いつもとまるで雰囲気が違う。案内係のケイトがお客さんをリードする
様子も、明らかに先週のキッズプログラムとは違う、
2階客席の奥にあるバーカウンターでは、システム担当のリヴが
ビールを注いでいる。多芸だなと思った。
演奏と歌のレベルが高い。このバンドがどれほどメジャーか
わからないが、キーボード、ベース、ドラム、ギター、ヴォーカル、
フルートの6人組のレベルの高さはすぐに分かる。
でも、何よりも、片付けまで疲れも見せず、テキパキと働く
ケイトとリヴが素敵だった。彼女たちのお客さん対応には
人間的な温かみがあって、催しをかなり底上げしてくれている感じがした。
2/14(月)
語学学校に行き、同級生のトルコ人・セナに年齢を訊かれた。
40歳....あ、今日で41だ!と言ったら教室内が盛り上がった。
日本人は幼く見えるので、オレには妻も子もいると伝えて、笑われた。
一方、週末を経て、若者たちによる教室内のラブワゴン感が加速している。
帰り際、放課中に即席で作られていたバースデーカードをもらって、
写真を撮る。ありがたいことだ。同時に、隣の青年・マリオは卒業。
2週目に入り実感したことだが、ここは毎週、新人が来て卒業生が出ていく。
1ヶ月程度の学習の人もいる。自分のように11ヶ月コースは長い方のようだ。
午後は、各種手続きに動き回った後、夕方から初めてウィグモアホール
に行った。当日券で、CDで聴いていたマーク・パドモアのリートの
チケットを買う。開演まで時間があったので、高級感のある周辺を
ウロウロしていたら、丸亀製麺とCoCo壱番屋があった。
と、ふと気づけば、どこからかコーラスが聴こえる。しかもかなり上手い。
気になって近くの教会を覗くと、ロンドン・フィルハーモニックの合唱団が
練習中だった。女性合唱指揮者がテキパキと稽古をつけていてカッコ良い。
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