12/18(月)『鐵假面』本読みWS 第3回 その①
2023年12月18日 Posted in 中野WS『鐵假面』
↑『子連れ狼』萬屋錦之介バージョン!
やはりなかなかのインパクト。さすが小池一夫先生です
今まで突飛に散らかっていた登場人物や場面に、
一つの背景が見えてくるのが、昨日やった台本30ページ過ぎでした。
キーワードは「千日デパート火災」。
これは1972年5月に大阪の千日前という繁華街で実際に起こった
火災事件で、立て込んだ雑居ビルで起こった火事のために
上層階'(建物7階)にいたキャバレーのホステスやお客たち、
100名を超える人々が窒息死で亡くなったという事件でした。
YouTubeに当時の痛ましいニュース映像がありました。
新たに登場する「中年男」というキャラクターがこれを語ります。
この男の妻(内縁?)は火事で亡くなったキャバレーのホステスで
元同僚の姉妹に偶然会ったことで旧交を温めるうち、
姉妹の素性が明らかになってくるという物語進行です。
そして、彼の背中に背中は亡き妻の忘れ形見に見えて
実は大きな石の塊でした。これは、なかなかどうして、
この中年男の悲哀を物語るヘビーな道具であるように思います。
二人の間に生まれた子は、あるいは亡くなったか、
それとも、ヒモであったらしい彼では育てきれず、亡き妻の
家族に引き取られたか、そもそもそんな子どもなどはいなかったのか。
そんなことを考えながら、この「中年男」のキャラクターを
つくり込んで欲しいと思える仕掛けが満載の登場人物。
さらに、当時テレビドラマで流行していた萬屋錦之介主演の
『子連れ狼』までが持ち出され、舞台の造形としても賑やかです。
なかなか面白いシーンでした。
何より、先に書いたように、姉妹の素性が徐々に明らかになる会話が
なされる意味で、この中年男は重要です。ユニークに見えて、
実はリアリズム、物語の裏付けに貢献します。
とても重要なキャラクター、シーンであることを強調しておきます。
・・・ちょっと長くなったので、続きは明日に。
中年男のシーンの後には、乞食たちとのボストンバッグの奪い合い、
公園課の職員との会話、という部分もやりました。
面白くて内容充分。レポートにはあと2回を費やす必要がありそうです。
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