2/6(火)『鐵假面』本読みWS 第9回

2024年2月 6日 Posted in 中野WS『鐵假面』
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↑雪に備え、短時間集中して早く帰宅する稽古もホットに進行しています!

一昨日、2/4(日)の晩に行った本読みワークショップのレポートです。

この回もう、全編のなかで一番重要なせりふ、
と私が考えていることばが現れるシーンで、クライマックス!
という実感がありました。

鉄仮面裁判中に揺れ動くスイ子とタタミ屋の心理と対話を
丹念に追いながら、彼らを取り巻く叔父さん、味代、
鉄仮面たちがどのように動くのかを検証していき、
その果てに現れるスイ子の内なる叫びに耳を傾ける回でした。

鉄仮面裁判は相変わらずわかりにくいのですが、

タタミ屋(検事)・・・スイ子に清純派ヒロインであってほしい
スイ子(被告)・・・性的にも解放された自由な人間でありたい
味代(弁護士)・・・下司であるほどスイ子を美しく感じる
叔父さん(裁判長)・・・タタミ屋の味方であるも、スイ子に
            鉄仮面たちの慰安を担わせたい
鉄仮面(裁判員&傍聴人)・・・自分たちを慰めてくれるスイ子に期待

という、それぞれのスタンスを見失わなければ、細部の意味、
せりふの意図もクリアになり、読み、演じる上で迷子にならずにすみます。

タタミ屋のスイ子に対する迫り方は、
火の粉を振り払いながら強気に生きてきたスイ子自身に被害者的な
意識を押し付けるものでもあり、それをスイ子は受け入れません。
受け入れるどころか、激しく突っぱねる、そして、より露悪的に
振る舞う。

そういうなかから、世間に揉まれながらも奔放に生きてきた
スイ子の虚無感やテル子の情夫への思い、そういったすべてを
しがらみに感じる自由への渇望が溢れ出てくる、という回でした。

 個々のせりふをあげるのは、レポートとはいえ今回は野暮なので、
それは自分で発見したり、唐ゼミ☆の公演を観てください。

これは唐十郎のほんとうの凄みだ!
そういう確信を得られる展開、せりふが現れた回でした。
次回は2/11(日)。唐さんの84歳のお誕生日にWSの『鐵假面』は
完結します。二つのパターンのラストシーンも追います!

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