2/26(月)『腰巻お仙 忘却篇』本読みWS 第2回

2024年2月26日 Posted in 中野WS『『腰巻お仙 忘却篇』
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↑これが1幕終わりにお仙が正体を表すシーン。部下たる天才は
彼女を肩車し、よく見ると胸の金太郎さんにはバラのマーク!

泣く子も黙る『腰巻お仙 忘却篇』の第2回目です。
昨日は昨日でくだらないシーン、露骨なギャグ、
華麗に安っぽいサスペンスが満載のこの台本。
やはり笑わせてくれます。

まず、前週に少女によって公衆トイレに誘われた乞食が
胸を匕首で刺されて登場します。驚く床屋と禿の客の目前で、
乞食は息絶える。いまはの際に残した「シルバーの唄」こそ
彼のダイイングメッセージであり、これはこの劇の核心に
結びつくところでもあります。

その後、ビビった床屋と客が死体を運ぼうとしたところ
(警察を呼べよ!)、現れたのは白衣の「天才」を名乗る男です。
天才は何のかんの口車を駆使しながら、床屋をバカにし、
禿の客とは意気投合、客を心酔させつつ、乞食の死体を
持ち去ることに成功します。

この後に出てくる少女と天才の場面から、
少女は「腰巻お仙」その人であり、天才は彼女の部下であることから
お仙の殺人を隠滅しようとしたことがわかります。

ここで展開するお仙のせりふはちょっと難しいのですが、
よくよく読んでみると、彼女は嬉々として戦争に行った父親を、
父親に代表される身勝手な男たちを恨んでいることがわかります。

戦争が好きで、冒険が好きで、続々と出征していった男たち。
「シルバー」とは傷痍軍人として帰った父親であり、乞食は憎き
父の仲間として殺されたことがわかります。

この後、「バカ男」というキャラクターが登場し、
これが父にしてシルバーであるわけですが、すでに頭が回って
しまっており、かつての見る影もない姿に、少女が面倒を見始めた
ことが2幕冒頭でわかります。また、1幕ラストで挿入される
お蓮のせりふにより、お蓮が待つ男もまたこのバカ男=シルバーだと
念押しされます。

かといって、お蓮とお仙は母と娘では無いというのが私の意見です。
お蓮は、出征前に情を通じた女性。どう考えています。

2幕は天才の営む病院から始まり、お仙が父たるバカ男を診察させに
くる場面から始まりますが、この幕の主眼は、1幕で天才の行状を
怪しんだ床屋と客が天才の正体を暴きにくるという筋立てが中心に
なります。昨日はここでおしまい。

カラッとして謎めいたせりふが少ないために
全体を通じて進みは早く、来週で最後までいきます。
翌々週には『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』を始めて、
そこから本番体制のため2週間お休み、というスケジュールです。

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