4/25(金)都内で過ごした一日
2025年4月25日
今日は朝から駒込に行き、その後に追手町に行き、
最後は浅草で過ごしました。夕方に時間ができたので、
わざとルートを入谷から浅草寺にとって、
久々に坂本小学校があった場所に寄りました。
上の写真はそれです。
劇団ドガドガプラスを観るために浅草に着いてみると、
下の園芸ホールに坂本頼光先生と玉川太福さんを約1時間の
うちに観ることのできるスケジュールが組まれており、
これは!と思って久々に寄席にも入りました。
行き帰りにはクセノポンの『アナバシス』を読みながら
明日の『唐版 風の又三郎』のことを考えます。
今日1日、多くのものにあてられ、明日に向けて高まっています。
4/24(木)『唐版 風の又三郎』2幕の準備
2025年4月24日 Posted in 中野note

気づけば、対面ワークショップが明後日に迫っています。
今日は夜に会場であるハンディラボに行き、準備を行いました。
さすがに一人でやるには難しいところもあり、土曜の朝にきちんと
掃除まですることを誓い、23:00過ぎには帰途につきました。
今は、内容の準備です。
2幕は軍歌『荒鷲の歌』が流れると否応なしに盛り上がります。
唐さんは初演事を振り返り、わざとふんどしを緩くしめて、
ほどけそうになるのをお客の爆笑をさらったと語ってくれました。
かなり邪道な方法ですが、唐さんはそれだけ貪欲だったという
ことです。お客の反応を狙うために容赦なし。
私は、ワークショップですから、航空兵が次々に高田三郎の
乗り逃げを語るところなどを、注力して手ほどきしたいと考えています。
兵隊口調でスピーディにやるだけでそれらしく見えてしまうシーン
ですが、侮るなかれ、この場面は物語全体のエピソード・ゼロを
語っているのです。
口々に描写される乗り逃げの様子を、参加のみなさんがよく
想像して、クリアに情景をつかめばこそ実践できる言葉の
世界を追いかけたいと思います。
直前にキャンセルが出て、一人分だけ空きがあります。
今からの申し込みでもご参加いただけます。
4/23(水)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第2回 その②
2025年4月23日 Posted in 中野WS『黄金バット-幻想教師出現-』
↑うちの娘が描いたミミズの絵。6歳ですがまだ幼児の片鱗があります
『黄金バット-幻想教師出現-』第2回目の後半は、
この劇を支える行商人たちが続々と登場し、いわば顔見せを行います。
リーダーである「鎌いたち」を筆頭に、
「オドロ」「ペンペケ」「メメズ使い」「蛇使い1・2」という
キャラクターたち。
「小夜ちゃん」を求める「青年」、
「黄金バット」を求める「あの男」が、
お互いが思い出のなかに求める存在を確認し合っていると
行商人軍団がなだれ込んできます。
まず、「蛇使い」ふたりが路地に現れ、笛を吹くと、長屋の2階の
窓から「鎌いたち」「オドロ」「ペンペケ」が尻を出して登場。
特に「鎌いたち」の尻を目掛けて、蛇を繰り出します。
さらに、引っ込み思案な「メメズ使い」が登場します。
「メメズ」とは要するに「ミミズ」のこと。
小便をひっかけるとチンチンが腫れる、とか、
「メメズ使い」の書く文字はメメズがはったようなもの、とか
そんな話題が応酬します。おまけに、「メメズ使い」には
「ヒサコ」と名付けて恋しているミミズがいるらしい。
要するに、「メメズ使い」「蛇使い1・2」は見世物屋さんトリオ。
他方、「鎌いたち」「オドロ」「ペンペケ」は行商人トリオで、
デモンストレーションとして、「オドロ」がお客を転ばせ、
「鎌いたち」がそのお客を傷つけ、その傷を「ペンペケ」が
塗りぐすりでたちどころに治してしまう、という芸を披露します。
・・・上記の場面、三人一組のチームが、お互いの得意技を
紹介したのみで、特段ストーリーは進行していません。
ただ、ハッキリとわかるのが、この劇が追憶の物語であり、
追憶するのは少年時代や青年時代でなく、幼年時代と言って良い
かなりガキの頃であるということです。幼児感覚ゆえに、
見世物トリオや行商人トリオがぐっときますし、
要するに「うんこ・ちんちん」的な世界が次々に繰り広げられる
のはそのためです。
次回はヒロインとなる「ブドリ」が登場します。
4/26(金)27(土)28(月)と対面の『唐版 風の又三郎』WSを
開催しますので、このオンライン本読みは5/3(土)19:30から
行います。
4/22(火)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第2回 その①
2025年4月22日 Posted in 中野WS『黄金バット-幻想教師出現-』
↑左側が長屋。この屋根の部分で「小夜ちゃん」は母の商売終わりを
待ち、雨に打たれて風邪をひいたという
前半に「青年」が語る「小夜ちゃん」との関係を、
後半に行商人たちが顔見せして活躍する場面を読みました。
「青年」は、自分のなかに「小夜ちゃん」がいると言います。
実際の「小夜ちゃん」になって合羽屋のおかみさんになっていますが、
それは本物ではないという。普通だったらこの「青年」の主張は
かなりイタいのですが、その理由を聞くと、納得できなくはない。
というのも、「小夜ちゃん」のお母さんは売春をして娘を育てたのです。
だから、商売の時には小さな「小夜ちゃん」は家の外に出されてしまう。
時には雨に打たれて風邪をひき、介抱する「青年」に、「あたし、
大きくなったら、立派なおあにいさんになって、あんな奴らを
追っ払って見せる」と言っていたのです。
そのようなわけで、「青年」は男である自分のなかに「小夜ちゃん」を
存在させて、それを育んできたのです。
劇冒頭に登場した「男」が、自分のなかに「滝沢先生=黄金バット」の
存在を温め続けている構造に、これは重なります。
理由を聞いた行商人「鎌いたち」は、「青年」に絆され、味方してやる。
かつて屋根の上でお母さんの商売終わりを待った「小夜ちゃん」と
同じように、「青年」を屋根の上に押し上げ、合羽屋にメッセージしろと
焚き付け、失敗するのです。
そんな具合に、「鎌いたち」と「青年」が意気投合していく場面が、
昨日の前半。「鎌いたち」は「青年」を男色的に狙っているようでもある
と、付け加えておきます。
4/21(月)2年8ヶ月ぶりにケリつく
2025年4月21日 Posted in 2022イギリス戦記
↑こういうのにずいぶん助けられました。これはサンプルです
デビットカードを更新するためです。
2年8ヶ月ぶりに、気になって先延ばしにしていた用事をやっと果たす
ことができました。
2022年1月。ロンドンに発つ10日ほど前。
私は海外研修の先輩から、デビットカード自体の存在を教えられました。
「それがないと現金おろせないよ」という実に的確なアドバイスを
頂いたのです。それまでの私は、近所のコンビニでキャッシュカードが
使えるのだから、ロンドンでだってそれができるに違いないと思い
こんでいました。デビットカードそのものを知らなかった。
出発の数日前に届いたカードに、自分は救われることになりました。
それから時間が経ち。
ロンドンでお金をおろすときは、いつも緊張していました。
あの国では、地下街とか、スーパーの外壁とか、囲いも無しに
ATMがついているのです。
よく、近くに物乞いがいました。
私はいつも、ひょっとしたら後ろから殴られ、現金を奪われるん
じゃないかと警戒しながら現金をおろしていました。
そして2022年8月頭。
乗り換えに使うカナリーワーフのATMで、別のことに気を取られていた
私は、間違った暗証番号を連続で押してしまったのです。
結果、カードはロックされ、椎野を通じて日本の窓口に電話したところ
「解除するには来店してください」という一点張りに途方に暮れました。
だいたいの買い物はクレジットでしたが、時には現金が必要です。
特に、家賃は現金払いしていましたから。
椎野が新たにデビットカードを作ってくれて、2週間後にはそれが
届きました。だから滞在の後半は、椎野の口座から現金をおろして
しのぎました。
帰国してからの2年数ヶ月、そのうちに手続きにいかなければ、
と思い続けてきましたが、ついつい後回しにしてきました。
それを、ついに今日果たすことができました。
ロンドンにギリギリ間に合って生活を支えてくれたカード。
グリニッジ駅前のスーパー・セインズベリーで画面表記の英語が
さっぱりわからず四苦八苦しながらお金をおろしたカードに
ハサミが入りました。
新しいデビットカードは、1週間ほどで届くようです。
4/20(日)自転車乗って『銭天堂』(椎野)
2025年4月20日 Posted in 劇団員note
横浜の紅葉坂上の青少年センターで、
『銭天堂』を息子と観てきました。
この辺りは、歌手の山崎まさよしさんが
下積み時代に住んでいたアパートが近くにあるそうで、
彼の歌にも出てくる、不思議に趣のある場所です。
天気はとても良く、
私は電動自転車でスイスイ坂道を登りながら現場に到着しましたが、
息子は6段ギアをガチャガチャ言わせ、
時に自転車を降りてヒーヒー走りながら
汗びしょびしょになって到着していました。
すぐ隣には、西洋風の結婚式場があって、
ちょっとしたテーマパーク感があります。
『銭天堂』は、白石加代子さんと大原櫻子さんの
リーディングドラマです。
我が息子は、なかなかな舞台ブレイカーで、
ちょっとでも自分の気に沿わないと
ちょっとした暗転で拍手をして終わらせようとしたり、
耐えきれず外に飛び出したり、
舞台観劇はまだ難しいかなぁと思っていましたら、
1時間45分、客席でよく動いてはいましたが、内容によく反応して、
ともすれば、今後どんな展開が予測されるのかを逐一教えてくれるほど、
中身に引き込まれていました。
白石さんの舞台姿はさすがに圧巻で、
不気味さとチャーミングさが同時にやってきますし、
大原さんは歌唱力は抜群ですし、科白はクリア!
(実は大原櫻子さんの『瞳』というサッカーの
応援ソングが好きで以前よく聞いていました)
二人の掛け合いは楽しく、特にラストのジャズセッションのように
ほぼ「笑い声」だけで二人がやりとりするシーンは
「それ、わたしもやってみたい!」と
役者魂が燃え上がるものがありました。
帰りは坂道を爆走。いい風を感じれました。

4/19(土)なぜカニのツメなのか
2025年4月19日 Posted in 中野note
今日、息子がこんなボールペンで文章を書いていました。
友達からもらったらしいのです。
それで思い出しのですが、私も唐さんから、
これと同じカニのツメのボールペンをもらったことがあります。
唐さんは100円均一が大好きで、たった100円でこれだけのものが買える
とよろこび、折に触れてさまざまなものをプレゼントしてくれました。
時計とか、ノートをまとめて束ねるファンシーなゴムバンドとか
そんなものをいただいいましたが、中でも強烈なインパクトを残した
のが、このカニのツメのボールペンでした。
なぜなら、唐さんは甲殻類アレルギーだからです。
確か、エビやカニを食べるとじんまんしんが出る体質なのです。
形だけならカニが好きなのか。
いまだによくわかりません。
いずれにせよ、唐さんの100円均一好きは、日常のなかにお宝を
発見して芝居を仕立てる唐十郎の得意技につながるものとして、
私の中に刻まれれています。
4/18(金)ひさびさの高円寺 大将
2025年4月18日 Posted in 中野note
↑コロナ以降、閉店時間は早くなっているようです
最近はひさびさに高円寺の大将にも行きました。
駅南口にある焼き鳥の名店です。
ここは、ことあるごとに唐さんに連れられて店で、
時には雑誌の取材で、唐さんは目の前の路上に転がって写真を
撮っていたようにも思います。
他にも、北口にあった「さわやか」という焼き鳥屋さんも唐さんは
好きで、自分が人生で初めて「シロ」の味を覚えたのはそこでした。
約束すると、その1時間前には店に入っていた唐さんにビビった
私は、45分くらい前には行くようにしていました。
『黄金バット-幻想教師出現-』を読んでいるせいか、
ちょっと懐古的な最近です。
4/17(木)ひさびさの辨天湯
2025年4月17日 Posted in 中野note
先ほど、約束の間まで小一時間あって、何をして過ごすか迷いました。
お腹は空いていないし、車の中で本を読むには頭が疲れている。
関内から黄金町あたりを車で流しているうちに思い立って、
久々に辨天湯に行くことしました。
大通公園沿いにあるこの銭湯に、唐ゼミ☆はたびたび世話に
なってきました。直近は半野外で上演した『鐵假面』千秋楽の日の夜、
私たちは冷え切った体をここで温めました。
ものすごい熱い湯で、ここは鳴らしているのです。
が、今日は実際に入ってみると、一人だけいた先客のおじさんが
長い時間をかけて水道を出しっぱなしにして右手をオールのように
使い、全体の水温を下げまくっていました。
普通の銭湯だとこれは怒られると思いますが、番台は女性のみで
男性がいなかったために、彼の動きを止める人はいなかった。
銭湯に珍しいぬるま湯系の温度を浴びて帰ってきました。
「辨天湯」。良い名前です。
「浅草六区を右に曲がればすぐに目につく弁天湯」とは
唐ゼミ☆の原点である『ジョン・シルバー』冒頭のせりふです。
劇の中で「ジョン・シルバー」がしたように、束の間、
私も辨天湯の中の鏡に向かい、自己との対話の時間を過ごします。
4/16(水)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第1回 その③
2025年4月16日 Posted in 中野WS『黄金バット-幻想教師出現-』
↑2021年12月。在りし日の坂本小学校3階の理科室から校庭を臨んだ
まずは、「男」のモノローグ。
これはほぼ、唐さん本人が滝沢先生について語っている内容です。
「タキザワ」が小学校に住んていたこと。
マントをしていたために「黄金バット」とあだ名されたこと。
生徒たちを愛するあまり、小学校を卒業して中学に進む彼らを追って
中学教師になろうとしたこと。それほどに過剰な愛情を子どもらに
注いでいたことが語られます。彼女がいつか学校を去り、
そのアパートを訪ねると、こたつの上にトランプが散らばる横で
バッタリと倒れていた。そのような顛末までもが語られ、
こうして冒頭に、この劇が自分を愛してくれた女教師「タキザワ」への
追憶として成っていることが宣言されます。
そして「男」は、いまここに「タキザワ先生」のマントを取り出す。
アイスキャンディボックスから冷えたマントを引き出し、まるで
「タキザワ先生」を劇中に呼び出そうとするように。
そして、場面が移ります。
次のシーンは長屋を前に行われる、「青年」と行商人「かまいたち」の
会話から始まります。「青年」は幼馴染の「小夜ちゃん」について
打ち明けます。「青年」は幼い頃の「小夜ちゃん」に惚れ込んでおり、
彼女との思い出を大切にしています。
幼い頃、お母さんが春を売っていた「小夜ちゃん」は母の商売の間は
家の屋根に出されており、それで、雨に打たれて風邪をひき、倒れて
しまった「小夜ちゃん」を「青年」が介抱したというのです。
以来、「青年」は自らの中に思い出の「小夜ちゃん」を住まわせ、
その小さな「小夜ちゃん」を大切にしてきました。反面、実際に
成長して大人となり、結婚して暮らす「小夜ちゃん」は真の彼女と
認めていない。それに対して、大人の「かまいたち」は呆れ気味、
という場面です。
第1回で読んだのは、ここまでの2シーンでした。
「男」が「タキザワ先生」に、「青年」が「小夜ちゃん」に
向ける思い出が、この劇に溢れていることが早くもわかってきます。
ノスタルジーの強い唐十郎作品の中でも、突出して追憶の度が高い劇
だとすでに予感されます。
第2回は、4/21(月)19:30です。