6/27(金)ワークショップの準備完了!
2025年6月27日 Posted in 中野note
メンバーは椎野、米澤、蘭子、私の4人。
明日から始まるお客さん向け『少女仮面』ワークショップに向けて
準備を行いました。
今回は、6/28(土)29(日) 7/5(土)6(日)の全4日間コースです。
これまでは『唐版 風の又三郎』の各幕を3日間で仕上げてきましたが、
この日数だと全体を一度通すのが精一杯なので、もう1日追加することで、
通しの後にさらに修正して完成度を上げたいと思ったのです。
今までは登場人物ごとに役割を振ってきましたが、
今回はこのシーンのこの役、という具合にして、皆さんがメインの役を
やってもらうように工夫をします。
希望も受け付けながら、ワークショップ自体の満足度を上げつつ、
ここで作られる通し読みの完成度が向上するように拘っていきます。
やっぱり、皆さんとつくる劇世界が、お互いしか聴いていなくとも
唐十郎演劇に相応しい面白さであって欲しい。
本能的にそう求めてしまうからです。
暑い道を経て到着してもらったら、冷房を効かせてやります。
2週に渡る4日間。気分は『少女仮面』の超夏期講習です。
6/26(木)今日はアシタバ
2025年6月26日 Posted in 中野note
戸塚のさくらプラザに行って階段をおりると、区役所の入り口で
野菜を売っていました。区内で採れた無農薬の無骨な野菜が並んでいます。
一品、手に取りました。アシタバです。
アシタバは、谷中生姜と並んで、唐さんから教わった夏の野菜です。
唐組の宴会で出てきたのを頂いて、私はアシタバの美味しさを
知ったのです。
劇団員として一時期の紅テントのヒロインを務めた赤松由美さんを、
私は同期だと思っています。私が大学に入った年、赤松さんも唐組に
入団しました。あの陽性のキャラクターで劇団を明るくしながら
さまざまな役を務めて、主役までやるようになりました。
赤松さんは八丈島出身で、帰省するとアシタバを買ってきてくれました。
唐さんが喜んで「アシタバというんだ」と教えてくれたのを
思い出します。そのお相伴に、自分も預かりました。
気候変動で暑くなったからか、横浜でも収穫できるようになったのかも
知れません。今日はアシタバです。
6/25(水)思い出す『月の光』、新宿梁山泊の『愛の乞食』を観てきた
2025年6月25日 Posted in 中野note
↑少し宴会に呼ばれて、22:30頃に失礼しました。灯りの落ちた受付にも
熱演の余韻があります
相模原市民会館に二度目の訪問。
初めて訪れたのは二週間ほど前で、デジャブのような感覚を
覚えましたが、再訪してその正体がわかりました。
自分は確かに、ここに来たことがありました。
竹内銃一郎さんが作・演出し、佐野史郎さんが主演した舞台
『月の光』を自分はここで観たのです。確か、大学の一学年上の
先輩が竹内さんの劇作家養成講座に参加していて、その縁で誘って
もらった劇でした。空間が捩れていく不思議と透明感が印象的な
舞台でした。調べてみると、2000年4月17日の上演であり、
佐野さんの他に、岡本健一さん、藤谷美紀さん、小日向文世さん、
石川真希さんが出ていたことがわかって、豪華出演陣だったのを
今更ながら実感しました。
何より、まだ携帯電話を持つ前だった自分が、当時住んでいた
上星川からどうやって移動したかが謎で、それも不思議な感じが
しましたが、今朝は、自分は確かにここで劇を観たのだ、という
実感を得ました。
夜は、新宿梁山泊『アリババ/愛の乞食』若衆公演を観に花園神社に
行きました。本公演の休演日を使って若手をデビューさせようという
企画で、前回の『ジャガーの眼』の時にも行ったこの若衆公演を、
自分はとても優れた試みだと思いました。後進に唐さんの劇の
主演を張らせたいという金さんの後推しがみなぎった公演に応えて、
「後先を考えず、今しかない」という熱演を皆さんが見せていました。
『アリババ』は、同棲時代にあって堕ろした子供の不安に苛まれる
若い男女を描いています。『愛の乞食』は、戦前・戦中に冒険に
明け暮れた海賊たちの限界と無惨を目の当たりした保険会社の
サラリーマンが、アウトローに目覚める物語です。
金さんは朝鮮半島で生まれた名曲『鳳仙花』を両作品の随所に
ちりばめて、両作品の登場人物たちが抱える、居心地の悪さや、
焦りや、反骨の衝動を託していました。
『愛の乞食』のエンディングで、原作では、警察に無惨に倒される
はずの主人公「田口」が、この上演では見事に警察を圧倒します。
金さんの願いを見ましたし、観客が皆、客席からそういう田口を
応援する拍手を送りました。
本公演を、来週に観に行きます。
6/24(火)新発見!唐さんによる太宰治の朗読CD
2025年6月24日 Posted in 中野note
太宰治作品を俳優たちが読むのを収めたCD15枚のボックスセット。
その最終巻で『家庭の幸福』『桜桃』を唐さんが朗読しているのです。
もともとは1988年に岩波からカセットテープで出ていたものが、
増補して2005年に復刊されたのが今回、手に入れたボックスです。
早速聴きました。
他の巻は、仲代達矢さん、西田敏行さん、寺田濃さん、岸田今日子さん、
吉行和子さんら、錚々たるメンバーが朗読にあたっています。
彼らを向こうに回すと、唐さんはいつもの高音・早口、
「はひふへほ」が「さしすせそ」になる江戸っ子ぶりでかなり独特です。
が、他の方々が『斜陽』『ヴィヨンの妻』『走れメロス』など小説を
読んでいる一方、唐さんが担当したのはエッセイなのです。
しかも、作家が創作と家庭の間で揺れた挙句、露悪的な自己中心性に
走るという内容なのです。こうなると、一人だけ作家である唐さんの
読みが不思議なリアリティを帯び始めます。
『桜桃』の最後の方など、唐さんが得意な『さすらいの歌』のように
ハードボイルドな匂いがしてきます。
他方、唐さんがどの程度、太宰さんに共感したかは謎です。
なぜなら、唐さんは掃除や料理などもまめまめしくする、
甲斐甲斐しい家庭人でもあるからです。
唐さんにはご存知の蛮勇はありますが、破滅的な感じもあまりしません。
と、聴きながら色々なことを考えました。
皆さんにもぜひ聴いてもらいたい逸品です。
6/23(月)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第10回
2025年6月23日 Posted in 中野WS『黄金バット-幻想教師出現-』
↑これが怪タンク。黄金バットの敵役であるナゾーが繰り出した兵器
モグラ・タンクとはだいぶ違うが、タンクはタンクである
『黄金バット-幻想教師出現-』もあと残すところあと2回となり、
物語の筋道がはっきりしてきました。こうなるとスイスイ進みます。
まず、先週に続く「都議会議員(役名:議員)」と
「教育委員会5人(役名:委員)」らの追い込みにより、
「ブドリ」の正体がハッキリします。「ブドリ」は単なる低能の
キャバレー・ホステスでなく、文京区にあるスパルタ学校の教師
「綾取(アヤトリ)先生」であったらしいのです。
「綾取先生」として厳しく生徒に接するうち、その一人を死なせて
しまった。その反省から、ホステスとなってからも「中学6年」を
名乗り、ラジオの講座を聴き、「三上丈先生」に私淑し、「タキザワ」が
信奉するところの女教師「黄金バット」にも共鳴してきたのです。
が、「議員」や「委員」の手引きで死なせてしまった生徒の
「母親」が現れると、「ブドリ」がずっと続けてきた反省そのものが
遺族にとって迷惑だと告げられてしまいます。生徒のお墓がある
お寺に送った手紙も「母親」には傷を上塗りするものに過ぎなかった
のです。
落ち込む「ブドリ」を「タキザワ」が励まします。
「黄金バット」のマントを渡し、反省を続ける「ブドリ」、
理想の教師とは何かを問い直し続ける「ブドリ」を新たな「黄金バット」と
勇気づけます。
「ブドリ」は励ましに応え、「黄金バット」になるべく、
自作した「モグラ・タンク」を呼び出します。これは、紙芝居
『黄金バット』に出てくる「怪タンク」に影響を受けたもので、
ドリルの付いた小型戦車が地中を自由に行き来し、空と大地を自由に
駆け回れるようにするものでした。
すると、「教育委員会」の正体が露わになります。
耳を切られまいとバケツをかぶっていた5人の「委員」は、
実は「鎌いたち」「オドロ」「ペンペケ」「蛇つかい1」「蛇つかい2」で
あったのです。地中にうごめく「メメズの介」が「ヒサコ」を殺された
と言って怒り、主人公 vs 敵役の乱戦が発生します。
そして、「モグラ・タンク」の撤退に合わせて舞台が空っぽになる。
誰もいない舞台に「ブドリ」が戻ってきたところ、自閉症児の
「ヤドカリ・ミサ」との対話が始まる寸前で昨晩は終わりました。
次回は、2週に渡る『少女仮面』対面WSを経て、7/12(日)の
開催です。「ブドリ」が教師としていかに再生できるのか。
唐さんが恩師に捧げた『黄金バット-幻想教師出現-』が完結します。
6/22(日)セリフ覚えと暑さ(米澤)
2025年6月22日 Posted in 劇団員note
6月とは思えない暑さが続いています。
暑いということはそれだけ嫌なものなのですが
今の自分が懸念しているのはセリフ覚えです。
8月の少女仮面ではボーイ主任と腹話術師の
二役分のセリフを覚えないといけません。
セリフを覚えるときはいつも公園のベンチに行きます。
座ってぶつぶつとしゃべります。
でもこの暑さです。
暑さにはとても弱いです。
もう今の時期に、昼間の野外でセリフを覚えることは不可能です。
日光と気温に耐えられません。
そうすると夜です。
まだ今の気候なら夜は行けそうです。
夜だってもうそこまで涼しくはないけれど
個人的な体感としては頑張れば耐えられそう。
去年の夏を思い出すと、
夜はまだ気温が上がっていくはず。
これ以上暑くなる前にできれば
やらなければいけないことをしてしまいたい。
6/21(土)『ラインの黄金』と大福
2025年6月21日 Posted in 中野note
今日は夕方、みなとみらいホールに神奈川フィルハーモニー管弦楽団の
《ラインの黄金》を聴きに行きました。この楽団が音楽監督である
沼尻竜典さんの指揮のもと、一年で一番力の入った演奏会をすると
見込んでのことです。
ワーグナー作品といえば、上演時間が長いことで有名です。
《トリスタンとイゾルデ》を観にいった時は休憩二回込みで
5時間半以上かかりました。
今回の《ラインの黄金》はこの作曲家の楽劇のなかでは短い方で、
それでも上演時間が2時間半あります。問題なのは休憩がないことで、
トイレに行きたくなったらどうしよう?とビビっていたところ、
県民ホールの同僚がとても強力なアイディアをくれました。
彼女によると、大福を食べると良いらしいのです。
体内の水分を吸い取ってくれる、と。
若干マユツバな感じもありましたが、いつも和菓子を買いに行く
松原商店街のうさぎやさんで一個だけ豆大福を買って、開演30分前に
おまじないに食べました。和菓子といえばいつも他のものを買って
うさぎやさんの豆大福を初めて食べましたが、豆の塩分が夏場に
食べやすかったし、なるほど旨いものでした。さすが。
結果、トイレの心配はぜんぜん無く、
2時間半、俗物根性丸出しの神々や巨人族たちのやりとりに集中する
ことができました。けっこう笑える内容でもありました。
今後《ワルキューレ》があったら、また大福を食べます。
6/20(金)うちに蚕までやってきた
2025年6月20日 Posted in 中野note
↑白いのが蚕
都内に出かけて渡辺えりさんの『少女仮面』や
新宿梁山泊の『愛の乞食』を渡り歩いています。
そのために、私は夕方に帰宅しました。
小学校から帰ってくる子どもらに食事を取らせましたが、
息子が桑の葉が必要だと言い始めました。
聞けば、学校からみんなで育てた蚕を持って帰ってきたらしいのです。
先日の金魚に加え、今度は蚕かよ、と思わずにいられません。
ただし、金魚すくいをした後は放置プレイの娘とは違い、
息子は熱心に蚕の飼い方を研究したらしく、
近所の公園に桑の葉らしきものがあると目星をつけてきたらしいのです。
今度は長生きさせたいと思います。
金魚すくいの生き残りである和金は、割と元気にしており、
子どもたちも餌やりに慣れて飼い慣らしています。
6/19(木)横須賀で『オオカミだ!』の稽古
2025年6月19日 Posted in 中野note
↑稽古後の記念撮影@ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
福岡在住のケッチさんが仕事で関東に。
そこで、一日延泊してもらって『オオカミだ!』の事前稽古が
できることになりました。幸い、今回の公演の最初の会場である
横須賀のベイサイド・ポケットの実舞台を提供していただくことが
できました。
黒子役は4代目です。
パントマイムアーティストのSATOCOさん、
ダンサーの月岡ゆめさん、CHAiroiPLINのよし乃さんと続いてきた
黒子役を、今回はダンサーの野沢心南さんが演じてくれることに
なりました。
この役はなかなか大変で、
多くの小道具や仕掛けを操りながら物語進行をサポートをする役割を
負っています。さらにその一つ一つの行動が、ケッチさんとの
駆け引きにおける因果関係を備えていなければなりません。
そのようなわけで、今日は朝から夕方手前まで集中して、
心南さんに全体の仕組みを伝えながら、そもそも『オオカミだ!』が
どんな風にできているか思い出す機会としました。
すでに、
7/19(土)横須賀公演の11:00の回は完売しました。
残るは横須賀の14:00の回と、7/26(土)平塚公演の11:00と14:00です。
が、残る3回も売れ行き好調だそうですから、興味ある方は早めの
予約をお願いします!
思えば、初演から2年半にして7箇所目、8箇所目です。
初めて夏休み時期に行う公演でもあります。たくさんのお子さんを
客席に迎えて、『オオカミだ!』は幸せな7月を迎えられそうです。
6/18(水)大和のフロリダ
2025年6月18日 Posted in 中野note
『続ジョン・シルバー』の舞台は、茅ヶ崎であるという設定です。
海の見える喫茶店をメインに進行します。窓からは湘南の海。
唐さんは烏帽子岩が好きなのです。
一方、大和に行くたびに、私は駅前の喫茶店フロリダに
寄ってしまいます。この原色のビジュアルとオリジナルロゴをいつも
無視できず、何より、『あれからのジョン・シルバー』に登場する
ダンスホール・フロリダを思い出すからです。
『あれからのジョン・シルバー』は黒澤明作品の影響を強く受けた
芝居です。主人公「花形」の容姿は『野良犬』に出てくる三船敏郎さん
のいでたちがそのまま援用され、ダンスホールという設定には、
『酔いどれ天使』で笠置シヅ子さんが『ジャングルブギ』を歌う
ダンスホールによって構想されたことは間違いありません。
戦後のどさくさを思って歩いていると、今日の暑さもまた結構です。
いつかまた『ジョン・シルバー』の連作をやってみたいものだ。
そう思わずにはいられません。