第34回公演『ベンガルの虎』公演情報 公開第一弾

2026年4月 1日 Posted in お知らせ
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劇団唐ゼミ☆ 第34回公演
『ベンガルの虎』
作:唐十郎 演出:中野敦之

2026年10月7日(水)〜10月12日(月祝) 全6回公演

場所:横浜・沢渡中央公園内 特設青テント劇場

出演:津内口淑香 米澤剛志 
赤松怜音 琴松蘭児 三木香 かくたなみ
宇野雷蔵 谷洋介 鍵山大和 小島ことり
中山朋文 今井勝法 ワダタワー
倉品淳子 丸山正吾 椎野裕美子
ほか

チケット発売日:2026年8月1日(土)10:00〜


3/31(火)『ビニールの城』本読みWS 第8回

2026年3月31日 Posted in 中野WS『ビニールの城』

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↑コロナ禍では、舞台の映像配信をよくやりました。その中で、

ずいぶんお世話になったのが携帯用のビニール・パーテーションです。

「モモ」が、どうにか一緒にいて欲しいと「朝顔」にお願いするために

用意した道具に似ています。こうしたものを設置しながら、よく

『ビニールの城』みたいだな、と思ったものです。



先ほどまで、稀代の必殺シーンをやりました。

静かな興奮が、余韻として残っています。


『ビニールの城』オンラインWS第8回の主眼は、

水に沈んだ人形「昼顔」を「朝顔」が救出した後に訪れる

カミヤバーでの「モモ」と「朝顔」の会話です。

「朝顔」が身体を酷使した後の朦朧とした疲れのなかで進行するシーン。

下記に引用します。


モモ           あなたが嫌いです。

 

バシンとくの字の銃をまっすぐ戻す。

 

モモ           あんたが恐いほど嫌いです。あんたが、本当はあたしが

嫌いなように、今では、あたしも嫌いです。ムシズが走るように。

開けて、汗まみれの動物の匂いがたちこめるのが嫌なように、

冷たいその目が嫌いです。

 

銃口をビニールを越した朝顔に向けている。

 

朝顔           空気銃なんか恐くないです。皮一枚にめりこむだけだし、

ただこのデンキブランは、射たんで下さい。(そのカップを摑んで

立ち上る)これは、人形たちにおごってもらったもんだから。

モモ           そのデンキブランも嫌いです。


・・・・・・


このダイヤローグは、ふたりの頂上決戦とも言えるものです。

大声を張り上げるようなやり取りではありません。

内省的に抑えて静かながら、ヒタヒタと複雑な胸中が行き交い、

すれ違い、お互いに好意を持ちながら別離して行かざるを得ない

もどかしさが、このやり取りの味わいです。


前段として、「モモ」はビニール製のパーテーションを持ち出します。

「ナマ」や「動物の匂い」が嫌いな「朝顔」も、ビニールに包まれた

ビニ本の自分とは暮らせたわけです。だから、実際の生身の自分とも

間にビニールのパーテーションがあれば一緒にいてもらえるのでは

ないかという、彼女なりの必死の懇願がここに見て取れます。


が、ふたりはどうしようもなく決裂し、空気銃は打たれ、電気ブラン

グラスが割れてしまいます。(せりふに集中しながら、これだけの

仕掛けをこなす俳優は、かなり大変です)

そして別離。最後に、「モモ」が「朝顔」の相方である人形の

「夕ちゃん」を手にいれ、ねんねこのなかに隠していたことが知れて

エンディングに入る手前で、今回の本読みを終えました。


WSに参加してくださっている皆さんの中には、このシーンのファン

が多くて、熱心に思い入れを語ってくださいました。

私自身、正直を言えば、こういう男女の愁嘆場が苦手なのですが、

それでも引き摺り込まれてしまう吸引力がありました。

いくつかの上演を見た時よりも、こうして読む方が、その魅力に

痺れました。


次週、あと一回の本読みで『ビニールの城』を完結します。

次回は4/5(日)19:30から。

詳細はこちら

http://karazemi.com/perform/cat67/post-18.html

3/30(月)全く役に立っていないらしい

2026年3月30日 Posted in 中野note
最近、ショーペンハウアー読んでいます。
唐さんの作品にたびたび出てきますしね。
その内容が、ではなく「ショーベンはハワイでしろ」というダジャレを
言いたいがために、唐さんはしばしばショーペンハウアーを出します。

しかし、実はちゃんと読んでいたのではないかとも思うので、
白水Uブックスから仕立ての良いアンソロジーが出ているのを発見して、
久々に手に取りました。読むのは、栗本慎一郎先生をお迎えして連続講義
をした時以来です。

代表作は言うまでもなく『意志と表象としての世界』です。
「表象」、"ドクサ"とか"臆見"とか言いますが、要するに上っ面の主観的な
思い込みを超えて「世界の意志」を見定め、しかもそれを解脱せよ、
というのが核心です。

ところで。

今日、急いでいました。
歯医者で思った以上に会計に時間がかかり、正直、イライラしました。
だって、私の診察後に予約電話が続けざまにかかってきて、それで30分も
余分にかかってしまったのです。
予約した人も、受付の方も誰も悪くないですが、不運でした。

それで、ほんとうなら歩いて行きたいところを、自転車に切り替えようと
しました。自転車なら、15分取り返せる。そう思って跨ろうとした矢先、
前輪の空気入れのキャップが、無い。

悶々としました。急いではいるけれど、キャップが無いと空気が徐々に
抜け、今はなんとか目的地に辿り着いても、近い将来に困るかもしれません。
自分か椎野が天を仰ぐことになります。

それで、時間は無いけど、自転車屋さんに寄りました。
勢い込んで「空気入れのキャップください!」と言いましたが、
アレはそれだけでは売っていないんだそうです。

でも、優しい店員さんは「余っているのをあげます」と言って工具箱からひとつ、
つまんで渡してくれました。そして、よろこぶ私に驚きのひと言、
「これが無いからといって、空気が抜けることはありませんけどね」

・・・・・・そうらしいです。
あれはただのフタで、無くても良いらしいです。

自転車に乗って40年ほど経ちますが、思い込みを打ち砕かれました。
自転車屋さんの店員さんはスピーディーで、目的地には、事実を知った
驚き、よろこびとともに間に合いました。

↓何度撮っても、なぜかカメラのピントが合わない
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3/29(日)春がく〜れば思い出す〜/津内口

2026年3月30日 Posted in 劇団員note

3月も終わりに近づいてきました。

この時期になると思い出すのが、2年前の『鐵假面』公演です。


今年は比較的暖かくなるのが早く、もう桜も見頃を過ぎ始めたところですが、

2年前の今頃、私たちは寒さに打ち震えていました。


仕込み中は暖かかったのです。

テント建ては力仕事ですから、よく動き、軽く汗ばんで、アイスコーヒーを飲んだ記憶すらあります。

太陽がしずめばもちろん冷えますので、太陽の偉大さを身をもって体験しつつ、

もしかすると公演中に桜が開花するかなあ...なんて、少しばかり期待しておりました。


現場入りすると、天気予報のチェックが日課になります。

週間予報はもちろん、雨雲レーダーまでもを駆使し、

雨予報があれば濡れたら困るものを屋根あるところにしまい込み、しまえないものにはビニールをかけ、

風が強いらしいとなれば、飛んでいってしまいそうなものを内部へしまいながら、

はためきそうなテント幕をロープでおさえる。


そんな私たちですので、初日の雨予報ももちろん想定済み。

昼過ぎにぱらついてきた雨を眺めながら、テントの中でお弁当を食べ、来るべき本番に備えておりました。

一旦雨はやみ、太陽もでてきて、良い雲行き!と衣装に着替え、お客さんが集まり始めた頃、

突如として空が暗くなり、大雨が降り始めました。加えて雷。強風。


冒頭のシーンでもし雨が降ったら、傘を差してでてやろうなどと事前に考えていたプランもありましたが、

そんなことをしたところでどうしようもない勢いの雨でした。

強風にあおられた受付ではまるで競輪場のようにチケットと1000円札が舞い、

乞食のファッションショーで松本くんが着ていた袖無しカッパがいつになく魅力的に見えました。


こうなるともう、笑うしかありません。だってやるしかないのだもの。


トップバッターで舞台にでたら、お客さんも笑っていました。(有難かった)

雨で濡れた舞台の2階で滑って落下を覚悟したり、(落ちなかったけど)

劇中で投げる泥団子が雨でただの泥に戻りやしないかと恐れたり、(全然大丈夫だった)

吐く息は白く、真夏の思い出を語るシーンですら奥歯が震えました。

いろいろなことがありました。よく覚えていません。


そんなことをこの時期になると思い出すのでした。


これはこれで良い思い出だけれど。

今年の10月の公演は、良い気候であることを切に願っています。



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(荒天になる前のエントランス。このあとひどい目に遭うことを知らない




津内口




3/28(土)公開稽古と行李大集結

2026年3月28日 Posted in 中野note
今日は公開稽古でした。
昨日まで、他の仕事を捌くのにやっとだったのですが、
早朝から起き出してメニューを考え、早朝から資材や資料を準備して
ハンディラボに向かいました。

今日は、椎野は別動で、車を運転して都内や埼玉まで足を運び、
ずっと連絡や根回しを続けてきた行李集めを行なってもらいました。
普段は、私がずっと車を使っていますから、こちらが一日、稽古で
かかりきりになる今日が、チャンスだったのです。

そういうわけで、方々歩き回ってお昼前にハンディラボに着き、
皆で準備して、参加の皆さんをお迎えしました。
ハンディラボは住宅街の中にある倉庫ですから、いかにも"アジト"
という感じで、初めて来たら迷うか、気後れするでしょうが、皆さん、
続々と来てくださって、8人をお迎えして稽古しました。

公開稽古なので、基本はこちらが行う稽古を見てもらう、
という日ではありますが、せっかく、唐ゼミ☆や唐さんに興味を持って
来てくださったので、私たちなりの台本や公演に対するアプローチが
伝わるようにお話ししたり、エクセサイズしたり、本読みを行いました。

遠方から苦労して来てくださった方もいたし、
『ベンガルの虎』の一幕についているタイトル「牢獄町会」を受けて、
年配の側には「町内会というものがいかに牢獄か」というお話を逆に
伺ったりしました。台本を読むとはいつも全身、全経験、全人生ですから
こちらがわかっていることを伝えるだけでなく、皆さんからも頂けるものは
頂こうと思ってお話を伺いました。

稽古が終わり、夕方に椎野が帰ってくると、ハンディラボにある行李が
15個になりました。この中にある、先日に私がお友達のTさんにもらった1個
がそうであるように、くださった方それぞれの方々からの応援や、交流が
支えになっていて、ひとつひとつが温かで嬉しい貴重品です。
『ベンガルの虎』の圧倒的キーアイテムですから、引き続き、30個を
目指して集めていきます。

どなたか、唐ゼミ☆『ベンガルの虎』を応援してやろうという方がいたら
よろしくお願いいたします!

↓しゃべり過ぎたので、小田原の友達がつくっているドロップを舐めて
います。しみるぜ
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3/27(金)無視できぬ蕎麦屋

2026年3月27日 Posted in 中野note
京都に行くと、お蕎麦を食べます。
ラーメンも有名ですし、うどんが美味しい関西ではありますが、
何年か連続で京都公演をさせていただいた頃に伺って以来、
大黒屋さんのにしん蕎麦の美味しさに、感銘してきました。

昔は、テント公演の会場としてお世話になった四条河原町近くの高瀬川沿いに
ある元立誠小学校の北側にありました。その後、そのお店はなくなり、
烏丸の大丸の横にある店舗に、数年に一度、行くようになりました。
先日に伺ったところ、やはり四条烏丸駅の近くに、昨年末から新店が
オープンしたばかりのところでいただきました。

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が、問題はこの後です。
いただいて満足しきった後に北に向かって歩いていると、三条のあたりに
「大鶴」というお蕎麦屋を見つけてしまったのです。
今、お蕎麦を頂いたばかり、それに時間もなく、伺うことはできませんでした。

が、「大鶴」は無視できません。それに、なかなか古いお店のようでした。
古くて、続いているということは、それだけお客さんに愛されてきたという
ことです。次回は、この「大鶴」に来なければならないと思いました。
そういえば、「大鶴」という名字の方を、私は唐さんとご家族の他に知り
ませんし、屋号としての「大鶴」に出会ったのはこれが初めてです。
やはり、どうしても無視できません。

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3/26(木)フェンシングの場面が面白かった試しはあるか

2026年3月26日 Posted in 中野note
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私が子供の頃に初めて「フェンシング」を意識したのはこのカードを通じてでした

今朝は朝から動き回りました。
早朝に小田原、箱根、そのあと南足柄を渡り歩き、12:00過ぎにKAATに行って、
かつて一緒に働いていたメンバーと短い再会を果たすことができました。
さすがに忙しない。

そして、昼過ぎから『ベンガルの虎』の本読み。
早朝からせわしなかったので、はじめから熱くなります。
しかも、今日はラストシーン。登場人物が大集合してスペクタクルな
アクションを繰り広げます。

『ベンガルの虎』のクライマックスは、フェンシング対決。
フェンシングといえば、『ハムレット』もそうです。

ところで、前々から思っていたことなんですが、
『ハムレット』のフェンシングのシーン。
あれ、面白かったこと、ありますか?

かつて私が見てきた『ハムレット』は10本はあるように思いますが、
ハッキリ言って面白かった試しがありません。

せっかくの機会なので、本読みに参加してくれた役者の皆さんにも質問
しましたが、反応鈍め。「アレが面白かったよ!」という意見が無いからには、
やっぱり面白くなかったんだと思わざるを得ません。

でも、『ベンガルの虎』のフェンシングが、時代劇における殺陣であり、
西部劇における撃ち合いなのですから、ぜったいに面白くしたい!
そういう話をしました。フェンシングって、競技として見ていても、
素人の私にはなんだか勝敗が分かりにくいですが、そこをなんとか。

いつか、フェンシングがすごく面白い『ハムレット』を観るか、
やってみるか、これもしてみたいです。

↓その次にフェンシングといえば、これ
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3/25(水)こういうメロディなんだ

2026年3月25日 Posted in 中野note
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先日、『秘密の花園』の公演パンフレットがインターネット上に出ていました。
少し高価だったけれど、奮発して購入しました。

目下、オンラインWSで取り組んでいる『ビニールの城』の原点は明らかに
『秘密の花園』です。ならば何か得るものがあるかも知れないと考えたのです。
1982年12月の初演。下北沢本多劇場のこけら落としとして上演されたもの。

結果、収穫がありました。
劇中歌の楽譜が載っていたのです。
作曲は、『盲導犬』と同じ田山雅充さん。
南沙織さんの『春うらら』を作曲された方でもあります。
優しい方で、私たちが学生時代に『盲導犬』を上演したとき、
惜しみなく資料を提供してくださいました。

同じ『秘密の花園』初演には市販されている映像がありますが、
やはり、いざという時は楽譜を頼るのが正攻法です。

そしてまた、1998年に唐組が再演する際、この劇中歌は省かれました。
唐さんは特に後半の2幕を書き換え、唐組版の『秘密の花園』を傑作に
押し上げました。しかし、結果として忘れ去られてしまった劇中歌や、
「あきよし」と「いちよ」が延々繰り広げる赤ちゃん言葉のやり取りにも、
かなり捨てがたいものがあります。

いずれ『秘密の花園』をやることがあれば、このように、版の選択が
かなり重要になるでしょう。だから、楽譜が手に入ったことを喜んでいます。

3/24(火)京都の山に登る

2026年3月24日 Posted in 中野note

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↑学生時代、水曜日は夜中まで稽古して唐研究室で寝た。

9:30頃に室井先生がやってくる。先生のおやつ用のチョコを巻き上げて

コーヒーを飲み、唐さんが10:00過ぎにやってくるのに備えた。

14:40から通し稽古。毎回、異常に緊張していた。



今日は、3年前に亡くなった室井先生の誕生日。

そこで、京都の大文字山に登り、先生を偲んできました。

行きの新幹線では、V.フルッサー『写真の哲学のために』の、

長すぎる解説を読みました。


文章のなかの室井先生は相変わらず、


(1)現在が文明の転換点であること

B.C.1500 ビジュアル→文字 A.C.20世紀末 文字→再ビジュアル化 


(2)写真というかなり装置(システム)寄りのメディアにおいてすら、

主体性と自由が発現できる


ことを畳み込むように叫んでいます。

当たり前ですが、室井先生は愚直なままです。


自分は(1)には懐疑的です。

2026年になったいまも室井先生は同じように言えるかな?

自分の生きる時代を歴史の転換点だと思いたがるのは、

単なる自己愛ではないだろうか。


他方、(2)は気になるし、はやり切実な問いと希望です。

"自由"の問題だからです。


そして、帰りの新幹線のなかでつらつら考えます。

今の私の日々の営みを見て、

社会人としての室井先生は、「お前は偉いな」と言うでしょう。

が、美学者としての先生は、自分を許さないとも思います。

もちろん重要なのは後者です。


室井先生は自分を棚に上げるところがズルいし、厄介ですが、

これはもう仕方ありません。闘うしかないな。

亡くなっているんだから無視できそうですが、無視したくないのだ

と今日、自覚しました。こうなれば正面戦だな。オラァ!

3/23(月)『ビニールの城』本読みWS 第7回

2026年3月23日 Posted in 中野WS『ビニールの城』

昨夜は『ビニールの城』オンラインWSの第7回。

二幕中盤で、「朝顔」が水槽のなかに飛び込み、人形「昼顔」を救う

くだりを読みました。今日はそのレポートです。


まず、前段のシーンで体を張った「リカ」の苦労があっさりと台無しに

なるところが、どこかコミカルです。「河合」「引田」の奇術師コンビに

よって、「リカ」が救った「昼顔」は再び水槽のなかへ投じられます。

残酷に違いない場面ですが、どこかご都合主義的で笑わせもします。

だって、「昼顔」が助け出されてしまっては、「朝顔」の見せ場が

無くなってしまう!


ここから、「河合」「引田」の「朝顔」いびりが始まります。

これが面白い。初め、「河合」のいじめを「引田」は「まあまあ」と

止めます。が、それは表面上のこと、ほんとうは「引田」の方が

「朝顔」に恨み骨髄です。

家庭を壊されてしまった「夕一」、「引田」は彼の叔父さんですから、

かわいい甥っ子の仕返しを「引田」がする。この、回りくどさが

とっても芝居味が濃くて、味わい深い。ネチネチとしたいじめは、

舞台上では大いなる魅力なのです。


ここで、「鳥丸」「水丸」「糸丸」の腹話術師3人が、「朝顔」を

味方し始めます。「引田」「河合」の所業が酷すぎる。

それで、仲良く無かったとはいえ、同業の「朝顔」を擁護し始めます。

こうして、「朝顔」を挟んで、敵・味方に別れた5人がやいのやいの

やるわけです。


冷静に見れば、水槽の深さは高々1.24m。

初演時に「朝顔」を演じた石橋蓮司さんは長身ですから、

実は何でもない深さです。しかし、本人がかもし出す切迫感、

周囲の5人が巻き起こす激しい対立が、水槽のなかの人形を救う

という、実は大したことない行為を崇高の高みにまで押し上げます。


「朝顔」が、あらかじめ水中メガネや水泳帽も用意していた、

というギャグもまじえながら、この大ジャンプは決行されました。

「リカ」以上の気迫を見せた「朝顔」!


続きは来週3/31(火)に行います。


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